家族などによる高齢者虐待、12%増加の14,889件 平成20年度厚生労働省調査
厚生労働省は11月20日、平成20年度における高齢者虐待についての対応状況等の調査結果を公表した。家族などの養護者による虐待について相談・通報のあった件数は21,692件であり、前年度より1,721件(8.6%)増加した。高齢者虐待防止法(高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律)施行3年目に入り、高齢者虐待についての事業者、住民の理解が進んだことなどにより、市町村等への相談・通報件数が増加したものとみられる。

○家族、親族、同居人等、高齢者の世話をしている養護者による虐待
・相談・通報者は、「介護支援専門員等」が43.8%で最も多く、次いで「家族親族」13.3%、「被虐待高齢者本人」11.8%であった。これら通報・相談に対する市町村の事実確認調査は「訪問調査」が60.8%、「関係者からの情報収集」33.4%、「立入調査」1.4% により実施された。調査の結果、虐待を受けた又は受けたと判断された事例は、14,889件であり、前年度より1,616件(12.2%)増加した。
・虐待の種別・類型では、「身体的虐待」が63.6%で最も多く、次いで「心理的虐待」38.0%、「介護等放棄」27.0%、「経済的虐待」25.7%であった(重複あり)。
・被虐待高齢者は、女性が77.8%、年齢は80歳代が41.7%であった。要介護認定の状況は認定済みが68.2%であり、要介護認定を受けた者を要介護度別に見ると、要介護3が21.5%、要介護2が19.5%の順であった。また、認知症日常生活自立度2以上の者は、被虐待高齢者全体の45.1%を占めた。
・虐待者との同居の有無では、同居が86.0%、世帯構成は「未婚の子と同一世帯」が35.6%で最も多く、既婚の子を合わせると63.0%が子と同一世帯であった。続柄では、「息子」が40.2%で最も多く、次いで「夫」17.3%、「娘」15.1%であった。
・虐待事例への市町村の対応は、「被虐待高齢者の保護と虐待者からの分離」が33.3%の事例で行われた。分離を行った事例では、「介護保険サービスの利用」が38.8%で最も多く、次いで「医療機関への一時入院」が20.8%であった。分離していない事例では、「養護者に対する助言指導」が47.7%で最も多く、次いで「ケアプランの見直し」28.0%であった。
・権利擁護に関しては、成年後見制度の「利用開始済み」が215件、「手続き中」が212件であり、うち市町村長申立は173件であった。

※詳細につきましては、厚生労働省のホームページより、「平成20年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」をご参照ください。
(2009.11.30)
 

 

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