介護保険制度の普及は急ピッチ
内閣府経済社会総合研究所は同所所属研究者の研究成果として在宅介護サービス需要の将来推計に関する論文をホームページ上(http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis060/e_dis060.html)で公開した。
同論文は、内閣府が2001年と2002年に要介護者を抱える世帯に対して実施した「高齢者の介護利用状況に関するアンケート調査」のデータを活用している。具体的には、在宅介護サービスの需要の変化を①要介護者数の変化、②要介護者のうち要介護認定を受けた割合(認定率)の変化、③要介護認定を受けた要介護者のうち、実際に何らかのサービスを受給した者の割合(受給者率)の変化、④一人当たりの介護サービス費用の変化、の4つの要素に分類。そのうち、高齢者人口動態に比例的に推移する①要介護者数の変化を除いた②認定率、③受給者率、④一人当たりの介護サービス費用の変化、の動向を検証することにより、将来の在宅介護サービスの需要推計を行っている。
同論文によると、認定率は2002年調査データの分析の結果、2002年末の約60%から2005年には、ほぼ100%に達し、認定を受けてからの時間が経過するにしたがって受給者率、1人当たりの介護サービス費用も増加する傾向が見られた。
これらの分析結果に基づいて、在宅介護サービス(訪問サービス・通所サービス・短期入所)の需要推計を行ったところ、2002年末の1.3兆円に対し2010年には3.4兆円と2.6倍に、2025年には5.3兆円と4.1倍に達することが見込まれるとしている。

2000年4月の介護保険スタート以降、在宅介護サービス需要の高まりに合わせて、様々な介護事業者の参入や拠点数の増加という形でサービス供給の体制も急速に整備が進んでいる。今後も要介護者数の増加に加えて、介護保険制度の浸透による認定率等の上昇により、在宅介護サービスの需要は引き続き増加すると予想され、介護保険制度、特に在宅介護サービス普及のピッチに拍車がかかるものと見込まれる。
(2003.10.18)
 

 

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