認知症について②
全3回シリーズで「認知症について」の情報をお届けしています。

■認知症はどうして起こる?
 私たちは、常にある状況の下に置かれ、その状況に対して何らかの行動をとることを求められています。
 例えば、朝6時に起床し、顔を洗ったあと、朝食づくりを行う、という平凡な行動がそれにあたります。これが、自宅ではなくて、旅先のホテルだと、「朝食づくり」は行いません。それは、自宅とホテルの「状況」に違いがあるからです。
 置かれている状況に対して、正しく行動していくには、まずは状況を正しく「認知」する必要があります。

 「認知」とは、自分が置かれている状況を、「認識」→「理解」→「判断」の流れを経て、自分の取るべき行動(“私はどうしたらいいの?”)がわかることです。

   認識:ここはホテルで、今は朝の6時だ。
   理解:自分は仕事の出張で、このホテルに泊まっている。
   判断:そろそろ起きて、顔を洗って、朝食を取りにレストランへ行かなければ
      ならない。

 状況を正しく認知できなければ、状況にマッチした行動がとれなくなります。
 状況にマッチしない行動のことを、認知症の「症状」と呼んだり、「異常行動」と呼んだりします。
 例えば、ホテルに泊まっているという状況を正しく認知できないために、朝食を作ろうと冷蔵庫の中に食材を探したり、ベッドの下にフライパンやお鍋がないか探したり、という行動が起こることです。
 つまり、認知症の症状や異常行動は、状況を正しく認知できないことが原因で起こります。

■主な認知症の種類と症状・原因は以下のとおりです。
①アルツハイマー型認知症(約68%)
【症状】昔のことはよく覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。軽度の
    物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。
【原因】脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮が
    おこります。

②脳血管性認知症(約20%)
【症状】脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。また障害を受けた部位に
    よって症状が異なります。
【原因】脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死ん
    でしまう病気です。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因です。

③レビー小体型認知症(約4%)
【症状】現実にはないものが見える幻視や、手足が震えたり筋肉が固くなるといった
    症状が現れます。歩幅が小刻みになり、転びやすくなります。
【原因】脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が
    破壊されおこる病気です。

④前頭側頭葉型認知症(約1%)
【症状】感情の抑制がきかなくなったり、社会のルールを守れなくなるといったこと
    が起こります。
【原因】脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気です。

厚生労働省のホームページはこちら
出典:「家族で治そう認知症」(国際医療福祉大学大学院教授竹内孝仁著、年友企画株式会社発行)を基に作成


認知症について①
「認知症の症状とは」は2018.5.15 掲載済みです。こちら

認知症について③
次回は、「認知症の発症を予防するには」を掲載予定です。
(2018.6.13)
 

 

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