コロナだけではない!インフルエンザ感染予防
厚生労働省はこの冬のインフルエンザの流行に備え、「今冬のインフルエンザ総合対策」を取りまとめ、国や地方自治体がインフルエンザ対策に取り組むとともに、広く国民の皆様にインフルエンザに関する情報を提供し、適切な対応を呼びかけています。なお、2020年より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行が継続しています。インフルエンザとの同時流行が発生した場合には、複雑な発生動向を辿ることへの懸念や、発熱時における受診の流れにも一層の注意が必要な状況が考えられますが、従来どおり、インフルエンザに特化した対策についてまとめた内容としています。

 季節性インフルエンザのウイルスには、A(H1N1)亜型(平成21年に流行した新型インフルエンザと同じ亜型)、A(H3N2)亜型(いわゆる香港型と同じ亜型)、2系統のB型の4つの種類がある。流行しやすい年齢層は、ウイルスの型によって多少異なりますが、今年も、全ての年齢層の方がインフルエンザに注意する必要があります。

 皆様は、以下を参考にして、御家庭や職場などにおいて、適切に対応していただくようお願いいたします。

《インフルエンザの感染防止について》
(1)「咳エチケット」について
 厚生労働省は、他の人への感染を防ぐため、「咳エチケット」をキーワードとした普及啓発活動を行い、マスクの着用や人混みにおいて咳をする際の注意点について呼びかけています。
○ 咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
○ 鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
○ 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
※ 咳エチケット用のマスクは、薬局やコンビニエンスストア等で市販されている不織布(ふしょくふ)製マスクの使用が推奨されます。
※ マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用しましょう。
※ 咳エチケットを心掛けることは、周囲にウイルスをまき散らさない効果があるだけでなく、周りの人を不快にさせないためのマナーにもなります。

(2)予防接種について
 インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。

 予防接種の接種回数については、13歳以上の方は、1回接種を原則としています。ワクチンの添付文書には「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていますが、健康な成人の方や基礎疾患(慢性疾患)のある方を対象に行われた研究から、インフルエンザワクチン0.5mLの1回接種で、2回接種と同等の抗体価の上昇が得られるとの報告があります。ただし、医学的な理由により、医師が2回接種を必要と判断した場合は、その限りではありません。なお、定期の予防接種は1回接種としています。

 なお、定期の予防接種の対象となる方は以下の通りです。
  1.65歳以上の方
  2.60〜64歳で心臓、腎臓若しくは呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、
    ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方

 これらの方は、定期の予防接種として、1回のインフルエンザワクチン接種を受けることが可能です。

(3)高齢者の入所施設等における感染防止対策の推進 

インフルエンザに罹患した場合、重症化の可能性が高い高齢者の入所施設等においては、まずは、施設内にインフルエンザウイルスが持ち込まれないようにすることが重要です。したがって、厚生労働省は日本医師会感染症危機管理対策室とともに、インフルエンザウイルスの高齢者の入所施設等への侵入の阻止と、侵入した場合のまん延防止を目的とした標準的な手引書「インフルエンザ施設内感染予防の手引き」を各施設に普及しています。

なお、高齢者の入所施設等においてインフルエンザの流行が発生した場合には、都道府県等は、当該施設等の協力を得て調査を実施し、感染拡大の経路、感染拡大の原因の特定などを行うことにより、今後の施設内感染の再発防止に役立てることが重要であり、厚生労働省は、都道府県等から調査の実施に当たって協力要請があった場合には、積極的に対応します。

 また、厚生労働省は、医療機関に対しても、インフルエンザについての院内感染防止に関する指導をいっそう徹底するよう努めています。

出典:厚生労働省 令和4年度 今冬のインフルエンザ総合対策について
(2022.11.15)
 

 

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